UC Berkeley School of InformationのMIMS修士プロジェクト(2026年、指導はKimiko Ryokai)。LovableのようなAI駆動のUIデザインツールを使うとき、デザイナーが美的判断をどうプロンプトに翻訳しているかを、13回のデザインセッションの観察から調べた研究。生成結果のどこが視覚的に不十分かを診断し、再プロンプトか手動編集かを決める「修復の瞬間」に焦点を当てている。
翻訳の破綻を6つに分類しているのが中心的な成果。意図を表す言葉が見つからない語彙ギャップ、明確なプロンプトでも反映されない実行ギャップ、無難で「洗練された」スタイルに収束するトラップ、言語化に抵抗する美的判断の天井、制作行為から切り離される作者性の断絶、失敗を恐れて意欲的なプロンプトを避けるリスク回避、という整理。デザイナーのプロンプト戦略も参照主導・仕様主導・効率主導・プロセス投資の4タイプに分けている。
結論として、taste(味覚)は言語化しづらく、出力の完成度と作者性は別物で、作者性は成果物ではなく制作プロセスに宿ると主張する。視覚入力を第一の仕様にする、局所的な意図アンカー編集を可能にするなど、ツール設計への提案も4つ示している。