Microsoftが2001年2月に公開したUI設計ガイドライン。当時主流だった deductive UI(ユーザーが画面を見て目的と操作手順を自分で推測するUI)の限界を整理し、対案として Inductive User Interface(IUI)を打ち出している。
IUIの基本原則
IUIの前提は単純で、「明示的な目的が1つだけ書かれた画面は、目的のない画面より理解しやすい」というもの。設計上は次の4つに分かれる。
- 各画面を単一のタスクに絞る
- タスクを自然な日本語のタイトルで明記する
- 画面の内容をそのタスクに合わせて構成する
- 補助タスクはリンクで別画面に逃がす
加えて、テンプレートの一貫性、タスク開始用のアクティビティページ、操作方法の明示、完了と次の遷移先の提示など、運用面のガイドラインも添えられている。
Microsoft Money 2000の実例
Money 99 は「Account Manager」という1画面でアカウントの選択・作成・削除をまとめて扱っていた。Money 2000 ではこれを「Pick an account to use」「Set up your accounts in Money」のように目的別に分割し、機能数は同じままクリック数を減らした。ユーザーテストではタスク完了率がMoney 99の74%に対しMoney 2000は89%、誤ったエリアへのナビゲーションも約2.8倍少なかった。
位置づけ
Web的なページ遷移とアプリ的な単一画面の境界が崩れつつあった時代に、Microsoftが「アプリもページ的に設計し直そう」と提案した文書。現在のタスク指向UIやウィザード設計、SaaSのオンボーディングフローの源流として読み返す価値がある。