デザインは出力ではないと、Linear CEOのKarri Saarinenが書く。インターフェースを素早く吐き出すこと、言葉をそのままコードに変換することを「デザイン」と呼ぶ風潮への異議。
本来のデザインの仕事は、形を作ることではなく、何が存在すべきか・なぜそうなのかが分かるところまで問題を理解することにある。Christopher Alexanderの『Notes on the Synthesis of Form』を引いて「形と文脈の良い適合の探求」と整理し、文脈とは人の必要、技術的制約、相反する要求、習慣、エッジケース、見過ごされた関係といった力場の総体だと述べる。
AIツールはそれらしい出力を高速に生むが、問題そのものを掘り下げる作業をスキップしがちで、磨かれて見えるだけで使うとほつれる「もろく、統合が浅く、決断が詰めきられていない」プロダクトに行き着く。
ビジュアルデザインがAIプロンプトより優れているのは、問題に近く居続けられる点と、振り返りに足る遅さを強いる点。要素を動かし、関係を試し、構造を整え直す行為そのものが思考であって、思考の後追いではない。
AIにはプロトタイピングや探索といった用途で価値があるが、デザインとは別物で、デザインは判断・対話・緊張・時間を求めると締めくくる。